核医学科・画像診療部では、画像診断 (単純X線写真・CT・MRI・US)、血管造影 (AG)とIVR、核医学 (RI)とRI治療などの業務を行なっています。主な業務内容を紹介します。
4台の多列検出器CT (MDCT) 装置が稼働しています。一般的なCT撮影から心臓CT、Perfusion CT、CT colonographyなど特殊検査も行っています。最新の機器では低放射線被ばくの技術も使用されており、患者さんへの放射線被ばくの影響も考慮した上で、最大限に治療や診断に有用な情報が得られるように努力しています。
医学部放射線診断核医学科では、附属病院と群馬県内の多くの病院の診療放射線技師の方々と共同で、患者放射線被ばく低減と検査適正化を目的とした、「群馬県におけるCT検査による患者X線被ばく調査」を毎年行なっています。この研究の詳細についてはGRaD Studyのページを参照してください。
世界最先端の3.0T(テスラ)MRI装置1台と1.5T MRI装置2台が稼働しています。MRIは現在非常に進歩の速い分野であり、日々新しい技術が臨床応用されています。私たちは常に最新の技術を提供すべく努力しています。
ごくわずかの放射性物質 (RI) を投与することによって臓器の機能をみる検査です。形態を中心とするCTやMRIの画像診断から得られた情報とRI検査から得られる機能情報を合わせることにより、病気の存在や状態を更に深く、正確に知ることができます。SPECT装置3台とPET/CT装置 2台が稼働しています。PET検査には一般にFDGが用いられていますが、当施設ではFDGよりも悪性腫瘍特異性の高いFAMTを用いたPETにも取り組んでいます。
臓器の機能を分子レベルで観察することによって治療や診断に役立てる技術を分子イメージングといい、核医学の技術の延長線上にあるものです。臨床応用はこれからですが、現在基礎研究が進んでいます。バイオイメージング情報解析学及び分子画像学講座で研究が行われています。
核医学の技術は種々の治療にも応用されており、RI治療(アイソトープ治療)といいます。バセドウ病や甲状腺がんに対するI-131内服療法のほか、悪性褐色細胞腫に対するI-131-MIBG治療を行なっています。また、難治性の悪性リンパ腫などの治療のほか、骨転移の疼痛緩和などにも用いられます。
当院には北病棟6階にアイソトープ治療病室が完備されています。甲状腺がんや悪性褐色細胞腫の治療は、この病室に入院して行います。
超音波検査は、放射線被ばくがなく、全く侵襲性のない検査で、気軽に行える検査です。画像診療部では心臓領域以外の全身の超音波検査を行っており、新しい技術である造影剤を用いた造影超音波検査や組織の硬さを測定できるElastographyにも積極的に取り組んでいます。
超音波は古くからある検査ですが、最近の進歩には目覚しいものがあり、CTやMRIと比べても非常に精細な画像を得ることができるようになっています。画像診断の一角をなす重要なモダリティです。
治療の際の患者さんの負担を少なくし、治療後の生活の質(QOL)を向上させるために、できるだけ侵襲の少ない治療法が模索され発展しています。IVRは従来の画像診断技術を治療に応用することによってこの目的を達成しようとするものです。
従来の血管造影(AG)の技術の応用である血管内治療では、悪性腫瘍に対する動脈塞栓術や動注化学療法、子宮筋腫の塞栓術などを行なっています。また、CTガイド下生検や、類骨骨腫のラジオ波焼灼術(RFA)、大動脈瘤に対するステント挿入術などやや特殊な治療も扱っています。
治療の実施にあたっては十分な画像診断の知識が前提であり、画像診断を含めた総合的なIVRのトレーニングを受けた医師が担当します。